FACULTY OF COMMERCE
CONTENTS

活躍する卒業生

多様な学修を基にした実践者

商学部卒業生の進路は、実にさまざまです。学んだことが活かせる業界・業種の幅広さにも、商学部の特長が表れています。身につけた知識とスキル、そしてキャンパスの内外で重ねた多くの経験が、将来の目標へとつながっていきます。

卒業生インタビュー ~「語学×専門」を実践する公認会計士~
商学部在学中に中国語を学び、現在、公認会計士として働く仙波健さんにインタビューを行いました。

仙波 健(せんば たけし)さんの略歴

2014年3月
商学部会計学科卒業、4年生在学時に公認会計士試験の「短答式試験」に合格
2014年4月~2018年10月
一般企業や監査法人に勤務しながら公認会計士試験の受験勉強に取り組む
2018年12月
太陽有限責任監査法人へ「短答式試験」合格者として入所
2019年11月~現在
「論文式試験」に合格し、公認会計士の資格を取得。
太陽有限責任監査法人で監査業務に従事
仙波健さん
─ なぜ第二外国語科目の中から中国語を選びましたか?

仙波さん:文法の構造(SVOなどの主語や動詞の文章構造)が英語と似ていて比較的勉強がしやすそうだったからです。

─ 在学中から公認会計士を目指していたそうですが、受験勉強をしながら、中国語の成績もトップクラスだったと聞きます。受験勉強と中国語の勉強をどのように両立させましたか?

仙波さん:公認会計士試験はとにかく試験範囲が広く、受験勉強の時間をなるべく多く確保したいと考えましたが、必修科目である中国語を疎かにして単位を落とせません。ですので、90分の講義時間内で内容を理解し、講義時間外での勉強をしなくて済むように工夫しました。1年生の前期、必死に単語を覚えるうちに「1漢字1音節」という中国語の法則に気付いたことによって、暗記する量の節約をはかって講義内で暗記ができるようになったのです。集中して勉強をすることで、公認会計士試験の受験勉強に使える時間を増やしていき、両立させることができました。

─ 卒業後、特に公認会計士として働き始めてから、中国語をやっていてよかった、と思うことはありますか?

仙波さん:私が監査を担当しているあるグローバル企業(売上規模1千億円単位、グループ会社40社)は世界各国に会社があります。監査を実施していく過程で様々な書類をチェックするのですが、グローバル企業となると書類が中国語の場合もあります。こういうときには中国語の知識が生かせるので、中国語を学んでよかったと感じています。
あとは、中国出身のクライアント(お客さん)と仕事をする機会があるのですが、初対面の時に私は簡単な中国語の自己紹介ができるので、アイスブレイクがスムーズに進みます。中国語を勉強してよかった、と感じる瞬間です。
また、グローバル化が進んだ結果、日本にいながらカナダやドイツ、タイといった国々の方と仕事をすることが必要な局面があります。一般的に日本人は、仕事の依頼に対して責任をもって誠実に対応してくれますが、他の国の方々は価値観や仕事の習慣が異なるため、そうはいかないことがあります。返事が来ないことや、仕事の依頼の仕方が気に入らない、という理由で相手にされないこともあります(外国の方はプライドが高いのです)。そういう時は、相手の国民性や習慣などを理解したうえで、依頼の仕方を工夫するなどの対処が必要です。つまり、会計士として仕事をするには、専門知識以外に、異文化コミュニケーション能力も必要なのです。

─ 会計学科への入学を考えている受験生にアドバイスをお願いします。

仙波さん:難しい表現を使いますが、会計とは経済事象を数字として表現する世界共通の言語です。例えば、日本の会社がA商品を100円で1個売ったら、100円の売上高です。この論理は、アメリカや中国においても同じです。「売上」という単語は各国で異なりますが、「100」という数字は万国共通の概念といえます。このような世界共通の言語である会計を学ぶことは、非常に有意義です。会計の知識は汎用性が高く、アイデア次第で様々な分野に応用できます。なので、会計に関して深く学びたい方はまずは会計学科へ入学して、専門的に学んではいかがでしょうか。

インタビューを終えて:

今回のインタビューで一番心に残ったのは、「会計とは経済事象を数字として表現する世界共通の言語」という仙波さんの言葉です。一見孤独な計算作業に見える会計という世界が、実は数字という共通言語を通して外に向かって大きく開かれている、という仙波さんの世界観に、外国語学習の意義や喜びが重なりました。仙波さんは地道に、着実に、謙虚な姿勢で努力を積み重ねて夢をつかみました。もし在学中、「余計なもの」を切り捨て、すべてを公認会計士試験に捧げていたら、彼の夢への距離は少し縮まったのかもしれません。でもそれをしなかったからこそ、こんなに豊かな世界観を持つ仙波さんが生まれたのだと思います。(A.K)


資格取得やゼミナールでの経験が社会に直結。
日本の真ん中でたくさんのものを手に入れました。

解良 昂洋さん
商学部 経営学科 2015年3月卒業 新潟県立 新潟西高等学校 出身

共同印刷
解良昂洋さん
印刷会社の経理部門に勤務しています。経理と言っても、弊社の場合は①支払い ②製造原価管理(売掛金の管理含む) ③外部用資料(財務諸表、決算書など)作成の3つの部署があり、私は社内の経費や取引先(700社以上)への支払いを担当しています。会社全体のお金の動きを常に把握しているため、経営状況が見える部署で、取引先の窓口としての責任は重いですが、その分やりがいも大きいです。経営学科出身で営業を希望していたこともあり、この配属は意外でしたが、大学在学中に取得した簿記検定や授業で学んだ仕分けなどのスキルが評価されました。また、現場経験がある先生のお話はすべて刺激的で面白く、社会に出る心構えができていたこともよかったのだと思っています。マーケティングゼミでは、あらゆることを企業活動に結びつけ研究し、さまざまなプレゼンテーションを通して論理的思考が身につきました。それは今でも非常に役立っています。他大学との合同発表会のため、3年次に図書館で缶詰めになって準備をしたこともよい思い出です。就職活動では、就職部で相談してから面接に行ったり、学内での著名人の講義などにも積極的に参加しました。都心の大学だからこそできたメリットではないでしょうか。今思えば、拓殖大学の魅力を存分に味わえた学生時代だったと思います。
拓殖大学にはチャレンジできる環境が整っています。

拓殖大学は、学生のやりたい気持ちに応えてくれる環境が整っていると思います。留学はもちろん、早い時期から深く専門を掘り下げられるゼミも充実しており、学科やコースを越えて幅広く学べるカリキュラムもあるので、入学すればやりたいことが見つけられると思います。そして大学には応援してくれる人もたくさんいます。周りを巻き込んで自分の世界を拡げてください。(写真:学内のサッカー大会、サークル仲間と)
学内のサッカー大会、サークル仲間と


就職活動を支えてくれた、丁寧なサポート

小林 真由さん
経営学科 2017年3月卒業 埼玉県立入間向陽高校 出身

ANAエアポートサービス株式会社

海外語学研修の際に空港を利用したことが、日本の玄関口・羽田空港での仕事に興味を持つきっかけになりました。第二外国語として夢中で学んだフランス語を仕事にも生かしたいという希望もあり、出会ったのが現在の仕事でした。空港を利用するさまざまなお客様への対応業務を担当しています。
小林真由さん
就職活動に取り組む中では、履歴書の添削や面接の練習など、就職課での丁寧な個別相談が大きな支えになりました。ゼミナールの先輩たちから体験談を聞く機会もあり、さまざまなサポートを受けながら取り組んで、目標を実現することができました。


ゼミナールでの学びと体験が、目標を実現する力に

孫 陽さん
経営学科 2012年3月卒業 合肥工業大学附属高校(中国) 出身

株式会社スリーボンド

「就職活動とは、商品としての自分をマーケティングすること」という、ゼミナールの先生の言葉が印象に残っています。志望先企業の「ニーズ」にフィットした能力を磨くなど、ゼミナールで学んだ知識や視点を就職活動にも活かすことができました。たとえば、他の学生との差別化を図るだけでなく、周囲と協調する力も大切です。
孫陽さん
また他大学のゼミナールとの合同討論会では論理的な思考力が鍛えられ、何よりもコミュニケーション能力が磨かれました。留学生の私にとっては、たくさんの人の前に立って日本語で発表する経験も意義深いものでした。