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2020年12月22日NEWS

国際物流論の授業で、実務家の方によるモーリシャス沖座礁事故についての講演会を実施しました

商学部の専門科目「国際物流論」の授業の一環で、去る12月17日、海運に関するシンクタンクである(公財)日本海事センターで主任研究員を務める中村秀之氏に「モーリシャス沖のWAKASHIOの事故」と題した講演を行っていただきました。中村氏は国際海事機関(IMO)の法律委員会および国際油濁補償基金での会合に、日本代表団の一員として、その中でも最長となる10年以上の参加経験をお持ちです。なお、今回の講義はZoomを使って、オンラインで行っていただきました。
講演ではまず、事故の概要について映像を交えた説明がありました。続いて民事責任を中心に国際的な賠償体制について取り上げていただきました。海上輸送は、日本のみならず世界の国際ビジネスにおいて重要な交通機関、輸送機関でありながら、その実情は広く知られていないのが現状です。海運業においては船の所有と運航の関係が複雑であることが、民事責任を考える上でも背景知識として重要になるため、このような説明をしていただきました。そのうえで、賠償の問題をめぐる国際条約の枠組みについて話がありました。さらにはこれらの国際条約を適用するうえでの制度面での不確実性について言及いただき、モーリシャス沖の事故については、事実関係の認定以外にも解決までに横たわる難しい問題があることを述べていただきました。

映像を交えて事故について説明する中村氏

映像を交えて事故について説明する中村氏
今回の講演内容は受講生にとってかなり難しい内容でありました。受講者からも「かなり難しい」との声が上がりました。一方、タイムリーな話題をベースに、国際物流、さらには国際ビジネスを取り巻く背景の複雑さをきちんと認識してもらう上で中身の濃い講演となりました。受講者からも「今後、より話題になると思われる持続的な社会にしていくために企業が何をしていくべきなのか、そして、今後どのようなことが求められていくのか、授業を通じて考えることが出来ました。」という回答があったように、こういった問題に対処していくことも環境問題や持続的な経営という観点からは無視できない問題であることは認識してもらうことができました。
オンライン授業ながらも、国際交渉の現場に立つ実務者から経験に基づく話を聞くことができ、授業で学んだ内容をより深める上でもいい機会となりました。今後、今回の講義が国際ビジネスを支える高度な職業人として必要な素養を涵養するための一つのきっかけになってほしいと考えています。
(文責:松田琢磨)

中村氏による講義風景

中村氏による講義風景

映像を交えて事故について説明する中村氏

映像を交えて事故について説明する中村氏

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