FACULTY OF COMMERCE
商学部NEWS

【潜道ゼミ】ピジョン株式会社への新規事業提案最終発表会を開催しました

2023.08.24(木)
ゼミNEWS  
商学部 潜道ゼミナールでは、2023年7月3日(月)に、育児用品メーカーのピジョン株式会社(以下、ピジョン)から釜萢健児様(2008年、商学部経営学科卒)をお招きし、新規事業案の最終プレゼンテーションを行いました。
 
私たち潜道ゼミナールの3、4年生は、今年度4月に、釜萢様による「ピジョンの事業内容とESG活動」についてのご講演を伺い、ピジョンのパーパスや既存事業について学習してきました。また並行して、社会価値と経済価値のバランスや、社会に与えるインパクトの大きさなどを評価軸とした「赤ちゃんにやさしい未来像の実現のための新規事業」を、5つのチームに分かれて考えてきました。新規事業提案のプレゼン当日は、釜萢様をはじめコメンテーターの方々から示唆に富む多くの講評やアドバイスを頂戴し、その後、大賞と準大賞の選出をしていただきました。
 
潜道先生からの講評によると、5チームの事業提案は、どれも甲乙つけがたいほど素晴らしいレベルであったと釜萢様はじめ審査員全員が声をそろえて高く評価してくださり、受賞チーム2チームを選ぶことはかなり難しかったということでした。
 
そして、選考の結果は次のように発表されました。大賞は、3年生チームの「ハグスナップ」、準大賞は、4年生のチームの「Little one」でした。
 
「ハグスナップ」チームは、日本の育児における課題として、
➀夫婦共働きの時代による親と子供との接触時間の低下
➁諸外国に比べ男性の育児参加率が進んでいないこと
➂親戚や友人が近くにいなかったり、育児の相談相手がいなかったりすることで、母親がマタニティーブルーや産後うつになる可能性の増大
を取り上げ、解決策として、親子の触れ合いの質向上や赤ちゃんと赤ちゃんを取り巻く人達との距離を縮めること、新たに触れ合う機会を創造することが重要になると考えました。
具体的には、赤ちゃんを“抱っこした写真”を保存し、アルバムを作るアプリの開発を提案しました。既に多くの方が使用されている “思い出写真を記録するためのアプリ”との差別化を図るため、「抱っこ」が赤ちゃんの成長にも重要な役割(愛着形成、学習能力・コミュニケーション能力・集中力・記憶力の向上等)を果たしていることを客観的資料として明示し、「抱っこ」にこだわった点をアピールしました。加えて、ピジョンで実施しているフォトコンテストとの連動や各種SNSへの拡張機能をもたせることにより育児中の親御様同士のコミュニティ形成に寄与するといった発展性も提案に盛り込みました。審査では、アイデアのユニークさの観点から、最も高い評価を得ました。
 
「Little one」チームは、赤ちゃんに関連する製品(食品・日用品)を専門としたデリバリーサービスの提案を行いました。現在、Uber Eatsなどのデリバリーサービスが普及し利用者が増加していることや、子育ての在り方が多様化している中で、柔軟なサービス提供が子育てのサポートに繋がると主張し、利用者と企業側のそれぞれのメリットを述べたうえで、幼児人口増加率や離乳食を取り扱っている飲食店の有無などを提示し、事業展開エリアを具体的に特定した点などが評価されました。
 
今回のピジョンへの新規事業提案の活動を通して、多くの学生から「0から1を創ることがどれほど難しいのかを痛感した」という意見が出ました。それぞれのチームが全く白紙の状態から企画を開始し、意見交換やディスカッションを交える中で、各自が視点を広めながら新規事業の提案を行いました。学生が能動的に動き、ビジネスや社会的問題の解決に直結する様々な観点から新規事業を作り出す過程を通じて、新規事業開発がどれだけ難しいことであるかを知る良い機会になりました。
 
今回のように、企業の方に私たちの事業を提案させて頂き、ご講評していただく機会は学生にとっては非常に稀有で貴重な経験であったと考えます。この経験をこれからの就職活動や、社会人として働いていく中で活かせるように精進してまいります。
 
文責:政経学部経済学科3年 潜道ゼミナール 岡 旭
  (熊本市立千原台高等学校出身)
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釜萢様からの講評
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大賞を受賞した「ハグスナップ」のプレゼン
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表彰式後の集合写真