商学部NEWS
【鄭ゼミ】ゼミ生がONEシンガポール本社のインターンに参加しました
2023.10.06(金)
ゼミNEWS
商学部では学生の海外インターンを積極的に薦めています。2023年8月21~25日の5日間、国際ビジネス学科3年鄭ゼミナールに所属する山野悦円さんが、ONEシンガポール本社にて行われた国際インターンに参加してきました。この会社は、2年連続で2兆円の利益を上げていることで世界の海運業界に注目されています。商学部の松田琢磨先生が、ONEの軌跡とコロナ禍による世界のコンテナ業界の大激動を追った著書も出版しています。その素晴らしいインターン体験と参加者の感想をより多くの在校生と共有したく、下記のように掲載し紹介します。これから海外インターンにチャレンジしてみたい学生の参考になると期待しています。
インターン期間 2023年 8月21日~25日
(事前研修期間 6月16日から週に一度全十回)
私は今回、コンテナ海運会社、Ocean Network Express Pte. Ltd.(以下ONE)の本社で開催された「JWELS」インターンシップに参加しました。同社は2017年7月に川崎汽船、商船三井、日本郵船の大手邦船3社がコンテナ部門を分離して設立しました。本社はシンガポールのマリーナ地区にあり、オフィスからは遠目にマーライオンが見えます。現在は約200隻のコンテナ船を運航し、170万本ものコンテナを運用しています。コンテナのカラーはマゼンタであり、一目見るだけで鮮烈な印象を私たちに残してくれるでしょう。
今回のインターンは国際ビジネス学科の松田琢磨教授からご紹介をいただき、応募を決めました。エントリーシートの提出締め切りまでの期間も短く、海外へのインターンということもあり不安もありましたが「ダメだったら叩きのめされてこよう」の意識の元、参加を決めてよかったと今では感じています。
シンガポールでは、私はコンテナ海運業界の現在の状況を知ることができたほか、インターンシップで割り当てられた部署では「Design Thinking」を通して、現在ONEが抱えている問題にどうアプローチしていくのかを体験することができました。
インターン初日はオリエンテーションやグループ活動のアイスブレーク、ONE Innovationという24,000TEUを誇る世界最大級の大型コンテナ船の見学に行きました。アイスブレークでは自分自身の発想力と、それを相手にどう伝えるのかということを考えました。時間制限があった中での課題だったので難しかったですが、とても身になるもので、ほかのインターン生やメンターの方々と打ち解けることもできたと思います。
ONE Innovationの見学では世界第二位の規模を誇るシンガポール港のなかでも主要ターミナルであるPasir Panjangターミナルに向かいました。外から船を見たときはあまりにも大きすぎる船にその大きさが分からなくなる一方で、その曲線や色に圧巻されました。内部の見学では足を踏み入れた瞬間に感じたエンジンの動きに感動したことを覚えています。その後はONE Innovationの内部を船長さんの解説のもとで見学しました。めったなことでは乗船する機会のない船に乗れたことがとても貴重な体験だったと思います。
2日目、4日目と最終日は主にグループ活動で、ONEが現在抱えている問題にどういった形でアプローチをしていくのかという課題をチームで検討しました。私たちのチームでは今後増え続けるコンテナ船をどうやって活用していくかという課題の解決に向けてチーム活動を行いました。チームでは「Design Thinking」という手法を使い、突拍子のない方法でも、それらをどうやって形にしていくのかを考えていきました。
取り組みを通じて、発想力とその先を見る力が重要だということを実感しました。発想をブラッシュアップしていく中で社員さんにアイデアを聴いていただき意見を取り入れ、最終的にそれらを形にしてプレゼンテーションにすることは楽しく生き生きと取り組むことができました。
一方で限られた時間の中で決められた発表に向けて資料ができていないことが最も行ってはならないことなのだと教えていただいたことも大きな教訓でした。もちろん、どれだけ精度の高いものにするのかや見やすい資料を作るのかも重要ではありますが、大前提として「完成させる」ということがスタートラインだということを学ぶことができました。
3日目はシンガポール港や、船の操縦に関わる人員を育てるトレーニングセンターに向かいました。あまりにも膨大な量の情報や、操縦技術などを体感し、緻密さと規模の大きさに追いつけなかったですが、どのお話も新鮮でした。
また、今回の経験を通し海運業にも興味を持つことができました。自分自身が関わってこなかった分野に触れたことで、今後海運を深く学んでいきたいと考えるようになりました。
海運は時期や世界情勢に強く左右されるビジネスだということも今回のインターンで学んだことです。これからどのような業種が伸びていくのか、どの国の経済が伸びるのか。はたまた新型コロナウイルスのような脅威がいつ襲ってきて、どう対処していかなければならないのか。常に最先端の情報を収集することがビジネスを発展させていく鍵なのだと実感しました。もちろん、これは海運だけでなく日常生活を送る私たちにも重要なことなのだと考えます。目まぐるしく変わっていく国内外の情勢を敏感に感じることが成功への重要な第一歩なのではないでしょうか。
また、仕事に対するアプローチについて大きく考えることとなったのも大きな収穫でした。今までの大学で学ぶ過程ではどれだけ情報を詰めてプロジェクトを完成にもっていくのかに焦点を当ててしまっていました。ですが、まずは一度完成させてみる。そこからいかにブラッシュアップしていくのかがより重要なのだということを学びました。初めから完璧を目指すのではなく、70%を目安に「とりあえずやってみる」の精神が私に足りなかったものだったと知ることができました。このことを踏まえて、今後はどんなことでも一度飛び込んで一歩踏み出すように様々なことに挑戦していきたいと考えています。
―――商学部教授 鄭偉
「ONEシンガポール本社へのインターン」
鄭偉ゼミナール 山野悦円
(国際ビジネス学科3年/神奈川松陽高等学校出身)
(国際ビジネス学科3年/神奈川松陽高等学校出身)
インターン期間 2023年 8月21日~25日
(事前研修期間 6月16日から週に一度全十回)
私は今回、コンテナ海運会社、Ocean Network Express Pte. Ltd.(以下ONE)の本社で開催された「JWELS」インターンシップに参加しました。同社は2017年7月に川崎汽船、商船三井、日本郵船の大手邦船3社がコンテナ部門を分離して設立しました。本社はシンガポールのマリーナ地区にあり、オフィスからは遠目にマーライオンが見えます。現在は約200隻のコンテナ船を運航し、170万本ものコンテナを運用しています。コンテナのカラーはマゼンタであり、一目見るだけで鮮烈な印象を私たちに残してくれるでしょう。
今回のインターンは国際ビジネス学科の松田琢磨教授からご紹介をいただき、応募を決めました。エントリーシートの提出締め切りまでの期間も短く、海外へのインターンということもあり不安もありましたが「ダメだったら叩きのめされてこよう」の意識の元、参加を決めてよかったと今では感じています。
シンガポールでは、私はコンテナ海運業界の現在の状況を知ることができたほか、インターンシップで割り当てられた部署では「Design Thinking」を通して、現在ONEが抱えている問題にどうアプローチしていくのかを体験することができました。
Pre JEWELS Session.
今回のインターンへの参加が5月末に決まったのち、全10回にわたる各一時間の事前研修が6月16日から週に一度実施されました。事前研修はZoomを使った英語でのセッションで、ONEの各部門や取り組んでいる活動など同社に関する基礎知識を、質疑応答を交えつつ学びました。その中でも私は、コンテナ事業や航路の開拓のためにアライアンスを組んで他社と共同戦線を組むことが最も印象に残っています。コンテナ海運にまつわる業務を一社ですべて完結できることがもちろん理想ではありますが、得意な航路や貨物が会社によって違うことから、他者の強みを活用するWin-Winの関係が欠かせない視点なのだと感じました。自社が抱える弱みをアライアンスを組むことで補い合えるという点に関心を引かれました。シンガポール研修
8月21日から25日まではONEのシンガポール本社で研修を行いました。社員の方々は私の拙い英語に対しても楽しくコミュニケーションをとってくださり、たくさんのことを教えてくださいました。また、インターンに参加した他大学メンバーは、工学や機械、エンジン、航海、流通や国際法など普段私が触れない学問を学んでいる人ばかりでした。また、学部生だけでなく修士課程や博士課程の「人まで参加していました。彼らから普段は聞けないような他学部の話や、他大学のお話を聴けたことも視野を広げるうえで貴重な経験だったと考えています。
ONEオフィス入り口 (マゼンタがドライコンテナの模型で白がリーファーコンテナの模型)
ONE Innovationの見学では世界第二位の規模を誇るシンガポール港のなかでも主要ターミナルであるPasir Panjangターミナルに向かいました。外から船を見たときはあまりにも大きすぎる船にその大きさが分からなくなる一方で、その曲線や色に圧巻されました。内部の見学では足を踏み入れた瞬間に感じたエンジンの動きに感動したことを覚えています。その後はONE Innovationの内部を船長さんの解説のもとで見学しました。めったなことでは乗船する機会のない船に乗れたことがとても貴重な体験だったと思います。

ONE INNOVATION船首

ONE INNOVATION操縦席
取り組みを通じて、発想力とその先を見る力が重要だということを実感しました。発想をブラッシュアップしていく中で社員さんにアイデアを聴いていただき意見を取り入れ、最終的にそれらを形にしてプレゼンテーションにすることは楽しく生き生きと取り組むことができました。
一方で限られた時間の中で決められた発表に向けて資料ができていないことが最も行ってはならないことなのだと教えていただいたことも大きな教訓でした。もちろん、どれだけ精度の高いものにするのかや見やすい資料を作るのかも重要ではありますが、大前提として「完成させる」ということがスタートラインだということを学ぶことができました。

ONE初日のオフィスにて
最後に
今回のインターンでは新しい体験、新鮮な体験をたくさんしたと同時に、自身の能力の足りなさも体感しました。たとえば、今以上に英語ができればもっと質問やたくさんの話ができたのにという悔しさを感じました。一方で自分の今の能力では足らないことを知ることもできたので、今後その力を伸ばしていきたいと思います。また、今回の経験を通し海運業にも興味を持つことができました。自分自身が関わってこなかった分野に触れたことで、今後海運を深く学んでいきたいと考えるようになりました。
海運は時期や世界情勢に強く左右されるビジネスだということも今回のインターンで学んだことです。これからどのような業種が伸びていくのか、どの国の経済が伸びるのか。はたまた新型コロナウイルスのような脅威がいつ襲ってきて、どう対処していかなければならないのか。常に最先端の情報を収集することがビジネスを発展させていく鍵なのだと実感しました。もちろん、これは海運だけでなく日常生活を送る私たちにも重要なことなのだと考えます。目まぐるしく変わっていく国内外の情勢を敏感に感じることが成功への重要な第一歩なのではないでしょうか。
また、仕事に対するアプローチについて大きく考えることとなったのも大きな収穫でした。今までの大学で学ぶ過程ではどれだけ情報を詰めてプロジェクトを完成にもっていくのかに焦点を当ててしまっていました。ですが、まずは一度完成させてみる。そこからいかにブラッシュアップしていくのかがより重要なのだということを学びました。初めから完璧を目指すのではなく、70%を目安に「とりあえずやってみる」の精神が私に足りなかったものだったと知ることができました。このことを踏まえて、今後はどんなことでも一度飛び込んで一歩踏み出すように様々なことに挑戦していきたいと考えています。