FACULTY OF COMMERCE
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国際ビジネス学科

Teachers

国際ビジネス学科での学びについて

1
Question
国際ビジネス学科では何を学びますか。経営学科との学びの違いについて教えて下さい。
海老名先生:企業活動について学ぶ点は経営学科と同じですが、国際ビジネス学科では、国際的な企業活動における課題について集中的に学びます。

山村先生:国際ビジネス学科では、多様な文化・商慣習・通貨がある条件下での商学・経営学を学びます。経営学科・会計学科だけで学ぶと、理論が開発された先進国、特にアメリカを標準に考える傾向に陥りやすいですが、国際ビジネス学科では、いろいろな国があるというのが前提で、その違いを知るために学んでいきます。

佐藤先生:世界で活躍できるビジネスパーソンの育成が国際ビジネス学科の目的です。最大の特色は国際ビジネスで求められる「専門知識」およびビジネス英語やコミュニケーションなどの「スキル」の両方を修得することにあります。その一例として3年次まで英語の必修科目があり、かなりユニークなカリキュラムになっていると思います。経営学科にはない専門科目が多数あります。
2
Question
国際ビジネス学科には、国際ビジネスコースとホスピタリティ・ビジネスコースの2コースが設置されていますが、それぞれのコースの特徴を教えて下さい。
海老名先生:国際ビジネスコースでは、 商品の貿易や金融・保険などサービス分野における国際的な企業活動に関して学びます。ホスピタリティ・ビジネスコースでは、観光やスポーツなどホスピタリティが重要な産業分野における課題を学びます。
3
Question
2つのコースで学ぶとどのような力(知識や資質)がつくのでしょうか。何ができるようになりますか。
太田先生:国際ビジネスコースは、「貿易」分野、「サービス」分野と「コミュニケーション」分野を修得し、それを活かして優れた思考力・判断力・表現力を実践できる高いコミュニケーション力を身につけた人材を育成します。ホスピタリティ・ビジネスコースは、「ホスピタリティ・ビジネス」分野と「コミュニケーション」分野を修得し、それを活かして優れた思考力・判断力・表現力を実践できる高いコミュニケーション力を身につけた人材を育成します。それぞれで専門性と総合性を学ぶことができます。加えて、2つのコースに共通してコミュニケーション関連科目をそろえており、世界のどこに行っても通用する人材を育成します。

科目群の特徴について

4
Question
貿易部門(科目群)では何を学びますか。どのような力がつくのでしょうか。
武上先生:日本と世界の貿易の歴史、発達、今後の将来について具体的に学びます。資源の無い経済大国の日本では貿易の知識と技能が重要な学びです。

山村先生:「モノ」の国際取引とその移動に関する理論、歴史、情勢を研究する物流分野を学びます。
5
Question
ホスピタリティ・ビジネス部門(科目群)では何を学びますか。どのような力がつくのでしょうか。
山村先生:「ヒト」の国際的な移動に関係する旅行・観光・交通の分野と、人口動態の変化に対処する健康産業・スポーツ分野について理論・歴史・情勢を学びます。

太田先生:旅行業講座、観光概論、観光ビジネス論、交通論、健康介護ビジネス論など、観光及びホスピタリティマインドが求められるビジネスを主な対象として学びます。
6
Question
サービスビジネス部門(科目群)では何を学びますか。どのような力がつくのでしょうか。
宮地先生:国際金融システム論、外国為替実務論、リスクマネジメント論、環境ビジネス論などの科目で、国際取引の基礎を理解するために必要な知識・情報を得ることができます。

山村先生:「カネ」やコンテンツなど実体のないものの国際取引に関する理論、歴史、情勢を学びます。
7
Question
コミュニケーション部門(科目群)では何を学びますか。どのような力がつくのでしょうか。
鄭先生:コミュニケーションに関する理論を学ぶ授業、実践的なスキルを学ぶ授業、ビジネス英語を学ぶ授業が配置されています。この科目群を通して、学生たちは国際ビジネスに必要なコミュニケーション能力を向上させることができます。
8
Question
ビジネス英語部門(科目群)では何を学びますか。どのような力がつくのでしょうか。
長尾先生:貿易を含む国際ビジネスでは共通語が英語です。中国と日本の取引においても英語が介在します。英語をコミュニケーションツールとして使えるようになることが目的です。

山村先生:国際取引の共通語化しているビジネス英語の学習を通じて、誤解をしない理解力、誤解を生まない表現力を訓練します。
9
Question
ビジネス英語って何ですか。英語が苦手なのですが、大丈夫でしょうか。
山村先生:ビジネス英語は、日常会話と違って、対応するシチュエーションも覚えるルールも限られていて特殊なので、一般英語の不得意な人でも大丈夫です。

長尾先生:苦手であっても嫌いでなければ、大学に入って伸ばすことは十分可能です。

資格について

10
Question
国際ビジネス学科には実務や資格検定試験対応の授業がありますか。
太田先生:国家資格である通関士に対応した「通関業講座」、同じく国家資格である旅行業務取扱管理者に対応した「旅行業講座」があります。また、「Intermediate Business English」、「国際秘書実務」なども資格と直接対応している科目です。

武上先生:貿易関係は、「貿易実務検定」(貿易実務論)、「外為検定」(貿易4年ゼミ)などがあります。

就職について

11
Question
国際ビジネス学科の卒業生はどのような職業について活躍していますか。
太田先生:国際ビジネスコースでは、国内外の商社、貿易会社、多国籍企業の本部または諸外国の支店など国際的な職場で従業員のコミュニケーションを円滑にする職務において、優れた能力を発揮する人材を養成します。
また、ホスピタリティ・ビジネスコースでは、国内外の観光産業、金融業等の分野、また、多国籍企業の本部または諸外国の支店など国際的な職場で従業員のコミュニケーションを円滑にする職務において、優れた能力を発揮する人材を養成します。
私のゼミでは、旅行関係や航空関係を希望する学生が多くいます。客室乗務員(CA)になった学生もいます。

佐藤先生:自分のゼミ生の場合、年によっても異なりますが、商社、流通、物流、アパレル、メーカー、金融、IT、建設、公務員等々、進路はかなり幅広いと思います。

山村先生:私のゼミでは、銀行、証券、建設、お笑い芸人の見習いなど様々です。

海外研修について

12
Question
国際ビジネス学科の学生は在学中に全員、海外研修に行かなければならないのですか。
鄭先生:海外研修は必修ではありませんが、拓殖大学では1週間から1年間までの様々な海外研修プログラムを用意しています。国際ビジネス学科の学生には、一度はパスポートをもって海外に出ることを勧めています。海外に出ることで得られる学びは、国際ビジネスを目指す学生の将来に必ず役立ちます。

鄭ゼミナールの海外研修の様子

Q12-01
Q12-02
2019年9月:上海にて実施

専任教員の担当科目とゼミナール活動について

13
Question
先生方が担当する科目について特徴を教えて下さい。
太田先生:「観光概論」は、はじめて観光学を学ぶ学生を対象にした専門導入的な科目です。観光学の基本的概念を理解するとともに、「観光」に係る共通の基礎となる必須知識を習得することを目的としています。「観光学」というのは極めて学際的であり、社会学、経営学、文化人類学、心理学などからのさまざまなからのアプローチによって成立しています。多面的に「観光」という事象を知ることで、より深い知識を得ることができます。

武上先生:「貿易政策論」では、世界貿易のグローバル標準を具体的に学びます。

海老名先生:「国際通商戦略論」では、国際通商関係(貿易や国際投資など)についての歴史的な展開と、現代における課題を論じます。各国の政治的な対立が国際貿易に影響を与えたり、逆に経済関係が国際政治に影響を与えることを学びます。アメリカ-中国間や日本-韓国間での貿易摩擦と政治的な対立など、今日的な課題を題材に議論を行っています。

宮地先生:「リスクマネジメント論」を学ぶことで、身のまわりにある様ざまなリスクの存在に気付くことができます。また、個人や企業のリスクへの対処方法についても理解がすすむでしょう。「リスク」を通して社会・経済について考えるツールを身につけることは、生きていく上での大きなたすけとなるはずです。

佐藤先生:「入門国際ビジネス」は、国際ビジネス学科の全員が履修しなければいけない必修科目です。ビジネスの専門知識と英語・コミュニケーションの両方を学ぶのは国際ビジネス学科の学びの特色ですが、そのうちのビジネスの学修の基盤になるよう「ビジネスとは何か?」というもっとも基本的な問いからスタートし、最終的にはもっとも基本的な国際ビジネスの方法である貿易について理論(どうして貿易が起きるのか)や実務(どうやって貿易取引をするのか)の基本について学びます。

長尾先生:「入門ビジネスコミュニケーション」では、ビジネスで必要な良好な人間関係を構築するために必要な知識やスキルを学びます。留学生を含む多様なクラスメートとグループワークを通じて、コミュニケーションを実践していくアクティブラーニングを取り入れた授業です。受講生は、積極的に参加する姿勢が求められます。

山村先生:「国際金融システム論」では、海外の見知らぬ客との取引を実現するため確実にお金を支払ってもらう制度として作られた為替の理論、平和のために市場を統合しようと通貨に踏み切ったヨーロッパの歴史、国際的に投資をしている投資家や企業の実態などを紹介します。金融のグローバル化が進む中で南北格差が拡大し、自国中心主義の国も増えていくという今日的な問題の解決の道を探っていきます。

鄭先生:私は、「国際ビジネスコミュニケーション論 」を担当しています。国際ビジネスのグローバル化が進む中で、「異」文化という環境で国際ビジネスを行う際におけるコミュニケーション問題は、これからの国際ビジネスマンにとって真剣に取り組んでいかなければならない最も重要な課題の一つとなっています。また、インバウンドビジネスから始め、国内ビジネスのグローバル化及び組織の多様化も、益々注目される課題です。この授業を通して、グローバルビジネス環境の中で職務を遂行するための新しいマインドセット、知識とコミュニケーション能力を、視点・知識・スキルの三つの層に分けて提供しています。

松田先生:「国際物流論」は、国外との間のモノの移動(物流)に焦点を当て、その仕組み(物流システム、ロジスティックス)を学ぶ科目です。企業がビジネスを行う際、調達、製造、販売に伴うモノの流れを無視することはできません。また、グローバル化が進む現在、モノの流れを国内だけで完結させることは難しくなっています。このような状況で、ビジネスにおけるより良い物流システムやロジスティックスとはなにか?を考えるための基礎作りが本科目の目標です。ロジスティックスを念頭に置いたものの見方を習得することで、ビジネスのあり方をより深く検討できるようになりますし、自分の生き方をより豊かにするうえでも役立てられるでしょう。

井内先生:「Advanced Business English R&W」では、人事、広報、市場調査など、あらゆるビジネスシーンで使用される文書を用いてケーススタディを行います。英語で書かれた情報をすばやく理解し、メールや資料を作成する演習を繰り返すことで、実社会で即戦力となる高度な英語スキルの習得が期待されます。

住木先生:主に商学部国際ビジネス学科1年次において勉強していただく「サービス企業論」という授業科目は、財としてのサービスの基本的な知識ならびにそれを取り扱う基本的な技能を修得すると共に、サービス企業におけるマーケティング・マネジメントの基本を理解することを目的として、サービス企業において運営の実務に携わるための基本的な知識ならびに基本的な技能を修得することを到達目標としています。担当教員は、サービス企業において実務経験があり、学生の皆さんに、実社会において活用することが可能な知識と技能を教授しています。

日野先生:国際貿易全般の科目を担当しています。貿易とは、自動車や石油などの[モノ]の取引だけでなく、国境を越えた、[人]や[企業]や[情報]の移動による経済活動も含みます。入門科目の「基礎国際貿易論」では、貿易の自由化などの伝統的なテーマだけでなく、観光立国を目指す日本の課題や外国人労働者の受入れの実態、Appleの経営の何がすごいのか(また過大評価されている点はどこか)、日本の漫画やアニメが海外でなぜ評価されるのかなど、多岐にわたる内容を扱います。貿易を通じて、日本社会や世界の現実を理解して欲しいと思っています。
14
Question
先生方が担当するゼミナールではどのような活動をしていますか。
太田先生:旅行業や航空産業等の業界研究や企業研究を行っています。また、旅行会社の協力をいただき、旅行商品の企画も行っています。その他、旅行会社や航空会社への実地見学等も実施しています。

武上先生:資格取得、企業訪問、貿易施設見学など行っております。

海老名先生:社会科学のさまざまな問題について、現実のデータを統計的な手法で解析します。社会格差、教育問題、吹奏楽の振興策などゼミの学生がそれぞれの課題を持ち寄って分析し、プレゼンテーションや卒業論文の作成を行っています。

宮地先生:全国学生保険学ゼミナール(Risk and Insurance Seminar、通称RIS)というインゼミへの参加をゼミナール活動の柱にしています。各エリア(関東、関西、九州)での年2回の研究報告会、年1回の全国大会を経て、論文集を発行する活動を2009年度から継続しています。ゼミ生には、学内外を問わず、積極的に様ざまなことに挑戦することを勧めています。ソウルで開催された「保険アイデアコンテスト」で、ゼミ生3名が英語による報告を行い、奨励賞を受賞したこともありました。

佐藤先生:「ビジネスシステム(ビジネスの仕組み)」という視点から(国際)ビジネスを研究しています。まず思考のためのツールとしてビジネスシステムに関する理論的な知識を学んだ上で、実際の企業を取り上げて事例研究をしてもらいプレゼン、ディスカッションをしています。また、他大学との交流も行っており、特に例年12月に実施する合同ゼミは6~7大学、100名前後が参加する一大イベントとなっています。

長尾先生:コミュニケーションに関する理論や概念を学ぶ傍ら、企業や他のゼミと協働しながら様々なプロジェクトを企画実践しています。プロジェクトを通じて、経産省が提唱する企業や社会で求められる「社会人基礎力」を身に着けることを目標としています。

山村先生:毎年、証券研究学生連盟の全国ゼミナール大会に出ています。その出場するための論文を準備するかたわら、現実的な課題・時の話題を理解しつつ、理論や古典的な事例を学修しています。

鄭先生:毎年、コミュニケーションに関する発表大会に参加し、学生の研究発表を行っています。また、優秀な研究論文を研究所に投稿し、入賞を果たしています。ビジネスの実践力を身に着けるため、毎年、学生チャレンジと社会人基礎力に参加しています。それから、企業訪問とプロジェクトベースを中心とする海外研修を毎年行っています。

松田先生:ゼミのテーマが「交通の事象をデータを使って分析する」ことであるため、まずは基礎となる数学をゼミ生と私で一緒に勉強しています。ゼミ生が発表した内容を私がフォローする形式です。数学の勉強を一段落させたのちは、統計学と統計パッケージの学習を進めて、卒論に向けた基礎固めを進めてもらう予定です。

井内先生:「多言語社会」をキーワードに、言語事情が日常生活やビジネスに与える影響について、様々な観点から分析しています。今年度は観光、社内公用語、教育、リンガ・フランカ、少数言語といったテーマでベトナム、カナダ、ルクセンブルク等世界各地の事例を取り上げ、各自でリサーチプロジェクトを実施しています。ゼミではただ調査するだけでなく、調べた内容をわかりやすくプレゼンすることも重視しています。今後はオンラインでのプレゼンスキルが求められる時代になってきますので、ゼミでの活動を将来のビジネススキルに生かしていただきたいと思っています。

住木先生:「3年ゼミナール」では、「主に人がサービスを提供するホスピタリティ産業におけるマネジメント人材の養成」をテーマに学修しています。サービスの最前線で起こり得るトラブルの場面や意思決定を迫られる場面等を設定し、自分がサービス提供者や経営管理者であれば、どのように行動するのか、どのような判断を下すのかといったことを考える「ケース・メソッド」に取り組んだり、「ホテル椿山荘東京」を対象にフィールドワークを行い、マーケティング・マネジメントを活用して分析することに取り組んだり、「モクシー東京錦糸町」を対象にフィールドワークを行い、新型コロナウイルス感染症が収束した時代における「これまでにない『新しいホテルの利用方法』について考える」という課題解決型学習に取り組んだりしています。

日野先生:ゼミでは、SDGsや気候変動問題と貿易の関係性について学びます。貿易には多様な側面がありますが、その1つに、国境を超えたつながりの形成を導き、その結果、各主体のパフォーマンスを改善させる効果があります。有効に活用することで、世界規模でのパフォーマンスの改善を期待できます。一方、環境問題への対応をめぐって、近年、貿易に関するビジネス慣行やルールが急激に変化しています。ビジネスの今を知り、現代社会の仕組みを理解する力を養うことで、就活や自身のキャリア形成につながる学びを提供しています。


教員が伝える授業のリアル