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教員が伝える授業のリアル

教職科目

商学部には教職科目を担当する専任教員が2名います。先生方に教職科目の学びのポイントや授業の特徴、教員免許状の取得や教員になる方法について、Q&A形式で聞いてみました。

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左から順に、今井文俊准教授、海口浩芳教授、です。

Question1 拓殖大学商学部で取得できる教員免許状について教えて下さい。

今井先生:中学校や高等学校で教員をする場合には教員免許状が必要となりますが、所定の単位を修得すれば商学部の学生なら誰でも取得は可能です。すべての学科で高等学校教諭一種免許状(商業)のほか、経営学科では高等学校教諭一種免許状(情報)、国際ビジネス学科では中学校教諭一種免許状(社会)、高等学校教諭一種免許状(地理歴史、公民)の取得も可能です。

Question2 教員免許状を取得して、教員になるためには具体的には何をすればよいのですか?

今井先生:まず、教職課程の科目を履修します。高等学校教諭(地理歴史、公民、商業)の場合で67単位以上の取得が求められますが、卒業要件と重なる科目もあります。次に、4年生になると教育実習に行きます。期間は2~3週間です。次に、教員採用試験を受けます。詳しい内容は、Question11をご覧ください。

海口先生:教員採用試験は、自治体(教育委員会)ごとに出題の特徴がありますので、自分が受験しようと思う自治体(教育委員会)の採用方針や選考の特徴を早めに知ることが大事です。

Question3 実際に教職課程を履修している商学部の学生は何人くらいいますか?

海口先生:今年度(2019年度)教職課程を履修している学生は、1年から4年まで含めて100名です。年度により若干の幅がありますが、各学年20人から30人ほどが履修しています。

Question4 教職課程を履修している商学部の学生は1週間に何科目の授業を取っていますか?

今井先生:中学校、高等学校といった校種の違いや教科の違いによりばらつきがありますが、商学部なので高等学校教諭免許状(商業)が取得しやすく、その場合、1年生~3年生なら卒業要件とならない教職科目は3~4科目です。順調に単位修得ができれば、4年生なら教育実習以外で1~2科目です。

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「教職実践演習」の授業の様子

Question5 「教育実習」では何をするのですか?

今井先生:教員の仕事全般について、学校現場で学びます。その際に中心となるのは教科指導で、実際に教壇に立ち授業を行わせていただきます。その他には、クラス経営などの仕事の一部も担当させていただきます。なお、「教育実習」の指導教員として、できるだけ多くの実習校を訪問させていただいています。

Question6 教員免許状を取得するために必要な「介護等体験」とは何ですか?

海口先生:介護等体験は、小学校・中学校といった義務教育の教員免許状の取得において必須の科目です。特別支援学校2日間、社会福祉施設5日間の合計7日間を利用者と交流する経験をすることで、福祉的対応を理解し、対人関係職としての教員に必要な「コミュニケーション能力」や「他者への思いやり」といった資質・能力の向上が目的です。あくまでも「幅広い体験」に重点が置かれていますので、「実習」とはいわず「体験」といいます。

Question7 昨年度に教員免許を取得した学生は何人くらいいますか?そのうち、教員として採用された学生の何人くらいいますか?

海口先生:この春(平成30年度卒)卒業した学生で、教員免許を取得した人は20人です。
今井先生:そのうち、教員になったのは8名(教諭1人、臨時任用2人、非常勤講師5人)です。

Question8 拓殖大学の卒業生で教員になっている人は何人くらいいますか?

海口先生:拓殖大学全体では約450名が教員になっています。商学部の卒業生では約150名です。

Question9 教職課程を履修している学生で教員免許を取得しなかった理由は何ですか?

今井先生:教職課程を履修していましたが、一般企業や公務員を目指することにしたということだと思います。教職課程を履修しても、当然途中でやめる自由があるということでもあります。また、教員にならなくても教員免許状を取得している学生もいます。

海口先生:教員免許状を取るためには、卒業に必要な単位のほかに40単位ほど余分に取らなくてはなりません。そのため、教職課程を履修したものの、学年が上がるにしたがって学修が大変になり、残念ながら教職課程をやめてしまう人もいます。

Question10 教員免許を取得して教員として就職しなかった学生は卒業後、どのような仕事をしているのですか?

今井先生:一般企業や公務員として就職しています。教育はどのような仕事に就いても必要ですので、教職課程で修得した知識や教育実習の経験が役立っていると思われます。また、教員でなくても、教育に関係した仕事をしている卒業生もいます。

海口先生:教職に就かなくても、人に教えるという経験は生きます。その意味で、教員免許を取得することは大学での学びの財産になるといえるでしょう。

Question11 公立と私立の採用には違いがありますか。

今井先生:公立学校の場合は、各教育委員会が主催する教員採用試験を受験します。地域により受験日が異なりますので、併願は可能です。早い地域では6月下旬から、遅い地域でも7月中には一次試験が行われます。その合格者に対し、8月以降に二次試験が行われます。試験内容は主催者により異なりますが、専門教科科目(例えば、地理歴史、公民、商業、情報)のほか、一般教養や教職教養(教職に関する知識が問われる)、面接などが課されます。
私立学校の場合は、各校で募集する案内を見て、それぞれに応募します。試験内容も各校により異なります。また、私学教員適性検査を取り入れている場合もあります。この試験は、専門教科科目、教職教養(一般教養を含む)について8月下旬に行われています。

Question12 教員採用試験に対するサポートがありましたら教えて下さい。

今井先生:授業やゼミだけの勉強では、合格できませんので、曜日を決めて、教員採用試験対策を実施し、学生を指導しています。具体的には、用語について勉強したり、一緒に問題を解いたりしています。学生には得意な分野と不得意な分野がありますので、専門教科科目の商業に関しては一通り網羅しています。また、都道府県によって出題の傾向が違いますので、その対策もしています。

Question13 今井先生は、高校の教員としての経験もあるのですか?

今井先生:はい。大学卒業後、埼玉県の商業科の教員をしていました。3つの高校で29年間、教員として務めました。

Question14 教員の仕事の“やりがい”とか“魅力”について教えて下さい。

今井先生:人を相手にしていますので、同じように取り組んでも同じ結果が返ってきませんが、それでも誠実に接すれば理解されるところがやりがいです。また、成長していく子どもたちの姿を見られることが魅力です。

Question15 どのような人が教員に向いていますか?

今井先生:明るくて活発な人だけが求められているわけではありません。まじめにコツコツと取り組める人が教員に向いていると思います。

海口先生:私は大学時代に恩師と呼べる先生に出会い、影響を受けて教育学の勉強を始めました。授業で学生に「これまで恩師と呼べる人に出会いましたか」と聞くとかなりの人が手をあげます。恩師とはその人にとって憧れの人といえます。その人のようになりたい、近づきたいと憧れることで自分も努力します。そうした意欲や姿勢のある人が先生になってほしいと思います。

Question16 今井先生が担当している「商業科教育法」では何を学ぶのでしょうか?

今井先生:教育法というと、教育に関する法律を学ぶと思いがちですが、実はそうではなく、どうすれば良い授業ができるか、その方法を学びます。経験を積むことが大切ですので、学生には模擬授業をしてもらっています。

Question17 海口先生が担当している「教育社会学」では何を学ぶのでしょうか?

海口先生:教育が社会に果たす役割や影響について、制度や機能の側面に注目して学びます。例えば、2019年10月から始まる幼児教育・保育の無償化や2020年年4月から始まる高等教育の無償化が、どのような社会的背景のもとに議論され、実施に至ったのかなど、教育政策や教育問題について具体的な事例を取り上げて学びます。

Question18 先生方のゼミナールではどのようなことを学んでいますか?

今井先生:「商業教育研究」という少し堅い名称がついていますが、高等学校で教える商業科のほぼすべての内容を理解した上で、どのように教えるとわかりやすいかを研究しています。学生が行ったプレゼンの内容について、学生相互で活発な意見交換をしています。また、希望者にはゼミナールの時間以外にも教員採用試験対策を行っています。商業科の教員養成で専任教員を置く大学は少ないと思います。将来商業科教員を希望する人は、是非とも拓殖大学を目指し下さい。

海口先生:ゼミでは学びの姿勢を培うことを目的に3年生は教育学や社会学などの文献をテキストに輪読を行い、並行してグループワークを行います。4年生は卒業論文の作成に取り組みます。課題に対して3年生はグループで取り組み、それを踏まえて4年生は個人で取り組みます。現在は、どの分野であっても生涯学び続けることが求められます。何をどのように学ぶのか、その技法を身につけてもらいたいと考えています。
以上、教職科目の学びのポイントや授業の特徴などを紹介いたしました。
(2019年10月16日公開)

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