FACULTY OF COMMERCE
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英語科目

Teachers
今回は、英語教育担当の先生方に英語科目のねらいや学びのポイント、授業の特徴や資格取得等について、Q&A形式で聞いてみました。
1
Question
なぜ商学部で(外国語学部ではないのに)英語を学ぶ必要があるのでしょうか。
長尾先生:国内であっても企業はどんどんグローバル化しており、もはや海外と繋がらずに仕事をすることが難しい時代になっています。海外取引は、たとえ中国と日本であっても、共通のビジネス言語は英語です。外国語学部の英語は、言語構造や音声などが研究対象になりますが、商学部の英語は、ビジネスを行うためのツールとして英語を修得していくことが目的となります。スムーズにビジネスを行うための必要なスキルです。つまり、  「英語×コミュニケーション」は、ビジネス(ヒト・モノ・カネ・情報)をつなぐツールといえます。
Q01
2
Question
拓殖大学商学部の英語の学びの特徴を教えて下さい。
三井先生:必修英語の目標は2つあります。1つは、まず話してみることです。高校までは英語を話す機会があまりなかったり、文法や発音を気にしすぎたりで、自分は英語が話せない、と思っている人が多いと思います。でも英語はスポーツと同じ。サッカーのルールにどんなに詳しくなっても、プレイは上手になりません。実際にやってみることが大切ですよね。 商学部では日本人学生と留学生が同じ教室で授業を受けます。ちょっとしたグローバル社会ですね。どこの国から来た留学生とも英語で話します。英語を使う機会は思ったより多いと思いますよ。こうした環境も実践的な英語の修得につながります。 そこから卒業までには、オフィス内でのやり取りが英語でできる、ビジネス文書が英語で作成できる、プレゼンテーションが英語でできる、などビジネスに特化した英語力を磨いていきます。 必修英語のもう1つの目標はTOEICのスコアを伸ばすことです。英語を使った職業に就きたい人には、高得点が必要となってきます。必修英語が終わっても、TOEICのスコアを伸ばすための選択科目を履修することができます。 どちらとも、将来グローバルな場に出たときに役に立つような実践的な英語を身に着けるためのものです。さらに「英語特定プログラム」というビジネス英語の達人になるためのプログラムもあります。 選択科目のほとんどはネイティブの先生が英語で教える授業です。オーラル・コミュニケーションとビジネス英語に重点をおいて、レベルもたくさん用意しています。

鄭先生:英語の学修によって、異なる世界観と価値観を身につけられます。また、多様な視点を持って世界と他者と接しているような英語を学べます。これらのことは、言葉としての「英語」より、これからのグローバルビジネスの文脈にとって必要な英語となります。
Q02『拓殖大学商学部がめざす外国語の学び』より。
3
Question
なぜ2年間にわたって英語科目が週2コマ必修なのでしょうか。何を学修するのでしょうか。2年間学んだら何ができるようになるのでしょうか。単位が取得できるか不安です。
三井先生:Freshman English AはTOEICにも対応できる英語力を身に着けるためのインプット型の授業です。ここで学んだことはFreshman English Bで実践することができます。Freshman English Bは言いたいことをあきらめないで言うための練習をするアウトプット型の授業で、ほとんどのクラスをネイティブの先生が担当します。Freshman English A/Bは1年生用で、受験英語から実用英語に向かう橋渡し的な授業です。まだビジネスの専門も勉強していないのに、いきなりビジネス英語に取り掛かるのは大変だからです。Basic Business Englishは2年生用でビジネス英語の基礎的な語彙や、シチュエーションごとによくある話題を英語で学びます。3年生のIntermediate Business English では国際ビジネスに関わる業務を英語でこなせるように学びます。このように本格的にビジネス英語を学修するまで、徐々にステップアップできるカリキュラムを組んでいます。 1年生のアウトプット型の授業では、キャンパスで出会う様々なシチュエーションをとりあげ、ペアワークで会話を作って練習しています。インプット型の科目では、英語の音声に慣れること、広告やお知らせなどが短い時間で理解できることを目標にして演習に力を入れています。

鄭先生:英語ビジネス・プレゼンテーションの授業は、ビジネス現場におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)とテレワークに関連する内容を大量に取り入れました。これからのビジネス・コミュニケーションのトレンドに沿って、参加者はデータ資料を共有しながら、英語によるビジネス・プレゼンテーションや、会議チャットによる質疑応答とディスカッションなどのスキルを実践的に学べたと言えます。English Onlyで行った授業でしたが、参加者の意欲と努力によって、毎回楽しい意見交換の場となっていました。今後のビジネス・コミュニケーションを先に体験する実践的な英語授業になったのではないかと思います。

井内先生:アルバイト先に英語を話す外国人のお客様が来たら、丁寧なことばで応対できますか?授業ではアウトプット型、インプット型ともに、単に英語力をアップさせるのではなく、状況に応じて適切なことばを用いてコミュニケーションが取れるようになることを重視しています。1年生の授業ではショッピング、レストランや旅行といった身近なトピック、2年生の授業では就職活動、会議、発注・受注、営業等、オフィスでのシチュエーションを中心に扱います。将来英語を使う仕事に就かなくても、ビジネス英語は身近な場面で使えます。英語が苦手な人でも無理なく授業に取り組めるよう、クラスはレベル別に編成されていますので、2年間かけて、英語でのコミュニケーションスキルに自信を持ってもらえればと思います。

長尾先生:英語はコミュニケーションのツールという考え方で、英語による多くのアクティビティを取り入れています。グループワークやディスカッションを通して、思考や理解を深める授業スタイルです。高校までは知識としての英語を学んできたかもしれませんが、大学ではビジネスで使用するひとつのツールとしての英語を2年間しっかり学ぶことで、社会に出てから仕事の幅が広がります。もちろん、2年間で終わりではなく、選択英語科目を活用しながら、4年間を通じて英語をブラッシュアップしてほしいと期待しています。
4
Question
拓殖大学商学部の英語科目を学んで取れる資格試験や検定試験について教えて下さい。
長尾先生:TOEICやTOEFLなどのスコアアップの授業、日商ビジネス英語検定3級、2級を目指す授業、国際秘書検定対策の授業など、高度な英語力を必要とする資格、検定対策のための学修機会を用意しています。

三井先生:大学でTOEICを受ける機会もあります。授業で培った英語力を試すチャンスです。
5
Question
TOEICとTOEFLの違いとそれぞれの特徴を教えて下さい。
鄭先生:ビジネスのために必要な英語で、応用が重視されているのがTOEICです。TOEFLは、アカデミックな学修や研究用の英語の試験です。努力している学生には、TOEICで900点以上の点数を取る学生もいます。
6
Question
ビジネス英語ってなんですか。日商ビジネス英語検定試験ってなんですか。
鄭先生:ビジネス英語はただビジネスに関することを日本語で考えた上、英語で伝えることだけではありません。言葉としての英語以上に、英語のロジックとコミュニケーションスタイルを持って考え、そしてアウトプットする作業です。よく、ビジネスにおける文化対応力について聞かれるとき、相手の言葉、相手のロジック、相手のスタイルを持って、自分のメッセージを伝える能力だと説明していますが、ビジネス英語の場合も同様な感覚とアプローチを身に着ける必要があります。

長尾先生:ビジネスで使う日本語は、普段友だち同士で使っている日本語と異なりますね。形式的で丁寧な表現がたくさんあります。ビジネス英語も同様です。形式的で丁寧な表現、友だち同士ではあまり使わない表現をたくさん学びます。ビジネスで必要とされる「きちんとした」英語と考えてください。「きちんとした」英語が使えると、ビジネスがスムーズに、そして信頼関係を築くことが容易になります。
日商ビジネス英語検定試験というのは、貿易実務を中心とした国際取引に関する知識と実務に必要な英語力を試す試験です。3級は入社前に身につけておくべき基本レベル、2級は入社2年くらいまでに取得するレベルです。商学部では国際ビジネス学科の約6割が3級を取得しています。そのうち多くの学生が2級を目指しますが、合格に至るのは毎年5~6名です。
7
Question
英語が苦手なのですが、ついていけるか心配です…
鄭先生:4月にクラス分けテストを行っており、レベルに応じたクラスを履修します。大学で学ぶ英語はビジネスで必要な実践的な英語であり、高校までの授業で英語が苦手だった人でも心配はいりません。各自の能力に応じてステップアップできるカリキュラムになっています。不安な場合は、アドバイザーや英語の担当教員に相談してください。各自で最も効果的な4年間の学修メニューをアドバイスしてくれます。
8
Question
ネイティブの先生の授業はありますか?
長尾先生:クラス分けされた必修英語の初級クラスでは英語教授法に長けている日本人の先生が担当します。高校まで学習した内容の復習から始めるので、英語力に不安があっても大丈夫です。上位クラスになると、ネイティブの先生が担当し、実践的な英語力を磨いていきます。選択科目は初級から上級までほとんどがネイティブの先生なので、どのレベルでも英語でのコミュニケーションが可能です。自分の実力に応じたクラスを選んでチャレンジしてみてください。
9
Question
先生方のゼミナールではどのようなことを学べるのかを教えて下さい。
三井先生:私のゼミはアメリカを理解しようというゼミです。アメリカ関連のニュースは常に注目されますが、私たちはそれをどの程度理解できているのでしょうか。例えば「BLM運動は本当に今世紀に始まったことなのか?」「同じテーマを扱っていても日米の映画の印象が違うのはなぜ?」など、課題を見つけ、グループで討論やリサーチを行い、プレゼンテーションをします。プレゼンテーションの構成やわかりやすい話し方なども、学んでいきます。

長尾先生:国際ビジネスに必要なのは、英語とともにコミュニケーション能力です。私のゼミは、異文化コミュニケーション研究をテーマとしており、コミュニケーションに関する理論や概念を学ぶ傍ら、企業や他のゼミと協働しながら様々なプロジェクトを企画実践しています。オンラインでも出来ることを考えながら実行に移していきます。グローバル人材に必要な「社会人基礎力」を身に着けることを目標としています。

井内先生:私のゼミでは「多言語社会」をキーワードに、複雑な事象を多角的な視点、かつ自分のことばでわかりやすく説明するスキルを習得することを目指しています。例えば、「英語が世界共通語といわれるのはなぜ?」「多言語の国や地域では、どのように言語を使い分ける?」「言語能力は社会階級と相関する?」といったトピックについて、リサーチやディスカッションを行なっています。

鄭先生:ビジネス英語プレゼンテーションの授業において、ビジネスの枠組みとスキルを取り入れ、英語によるプレゼンテーションのメソッドとスタイルをもって行うプレゼンテーションを、実践的に学修する場としています。授業というよりも、料理教室の感覚で、食材の仕入れから最後、料理を出すまでの体験的学修を行っています。
商学部の教員_英語科目_Q9_1(三井ゼミナール(映像で学ぶアメリカン・スタディーズ))
三井ゼミナール(映像で学ぶアメリカン・スタディーズ)
商学部の教員_英語科目_Q9_2(井内ゼミナール(多言語社会とビジネス・コミュニケーション))
井内ゼミナール(多言語社会とビジネス・コミュニケーション


教員が伝える授業のリアル