教養科目
Teachers

「『自分の大学を知ること』から始まる学び-拓殖大学の歴史と、教養教育のつながり」
1
Question
なぜ「自分の大学を知ること」が学びにつながるのでしょうか?
「自分の大学を知る」という学び
市原先生:教養教育を考えるうえでも、そもそも大学で学ぶうえでも、「自分の大学を知ること」は、とても重要な意味を持っていると思います。
大学には、それぞれ長い歴史のなかで築かれてきた特色があります。建学の理念や教育の伝統をはじめ、様々な研究の蓄積、卒業生たちが築いてきたネットワーク-そうした“大学固有の財産”を理解することは、自分自身の学びを深める大きな手がかりになります。
特に、ゼミや卒業研究のように、自分で問いを立てて学ぶ段階になると、「自分はいま、どのような場所で学んでいるのか」という意識が、研究テーマや視点にも影響してくるのではないでしょうか。
平崎先生:私もそう思います。
教養教育には、それぞれの科目内で提供される知識や技術を学ぶことに加えて、「自分が立っている場所を理解する」、そのための視点を提供するという役割もあると思います。拓殖大学の教養教育としては「全学共通教養科目」が設けられており、これは全学部の学生が履修できるものです。A~Eまでの系列に分かれていて、例えばこのうちのD系列(「キャリア形成を行う」)のなかには、「歴史の中の拓殖大学」という、いわゆる「自校教育」と呼ばれる科目が設置されています。このような科目を通して、大学の歴史や理念、教育活動の様々な展開に触れる機会があります。学生たちが、自分の学ぶ場所の来歴を知ることで、「なぜこの大学で学ぶのか」を考えるきっかけになればと考えています。
大学には、それぞれ長い歴史のなかで築かれてきた特色があります。建学の理念や教育の伝統をはじめ、様々な研究の蓄積、卒業生たちが築いてきたネットワーク-そうした“大学固有の財産”を理解することは、自分自身の学びを深める大きな手がかりになります。
特に、ゼミや卒業研究のように、自分で問いを立てて学ぶ段階になると、「自分はいま、どのような場所で学んでいるのか」という意識が、研究テーマや視点にも影響してくるのではないでしょうか。
平崎先生:私もそう思います。
教養教育には、それぞれの科目内で提供される知識や技術を学ぶことに加えて、「自分が立っている場所を理解する」、そのための視点を提供するという役割もあると思います。拓殖大学の教養教育としては「全学共通教養科目」が設けられており、これは全学部の学生が履修できるものです。A~Eまでの系列に分かれていて、例えばこのうちのD系列(「キャリア形成を行う」)のなかには、「歴史の中の拓殖大学」という、いわゆる「自校教育」と呼ばれる科目が設置されています。このような科目を通して、大学の歴史や理念、教育活動の様々な展開に触れる機会があります。学生たちが、自分の学ぶ場所の来歴を知ることで、「なぜこの大学で学ぶのか」を考えるきっかけになればと考えています。
2
Question
拓殖大学の歴史を知ることで、何が見えてくるのでしょうか?
拓殖大学の原点にある「世界を見る視点」
市原先生:拓殖大学の歴史を振り返ると、1900年に設立された「台湾協会学校」が原点にあります。当時の台湾やアジアとの関わりのなかで、人材育成を担う教育機関として出発したという歴史は、現在の拓殖大学にも通じる“国際性”の原点と言えるかと思います。
単に「海外に目を向けましょう」という話ではなく、「異なる文化や価値観とどう向き合うか」という問いそのものが、大学の歴史のなかに含まれているように感じます。
平崎先生:そうですね。
もちろん、その時代背景は非常に複雑です。創立年の古い学校であればなおさら、そこにはその時々の政治・社会状況や価値観の変化も反映されています。だからこそ、単純に美化するのではなく、色々な史料をもとに、物事を多面的に考えていくことが重要になります。当時の政治・社会状況や価値観を知り、「なぜそうした教育が求められたのか」「現在の私たちはどう受け止めるべきか」を考える。その過程そのものが、教養教育につながっていると思います。
歴史を学ぶことは、過去の出来事を知り、覚えるということだけではなく、“現在を考えるための視点”を身につけることでもありますから。
単に「海外に目を向けましょう」という話ではなく、「異なる文化や価値観とどう向き合うか」という問いそのものが、大学の歴史のなかに含まれているように感じます。
平崎先生:そうですね。
もちろん、その時代背景は非常に複雑です。創立年の古い学校であればなおさら、そこにはその時々の政治・社会状況や価値観の変化も反映されています。だからこそ、単純に美化するのではなく、色々な史料をもとに、物事を多面的に考えていくことが重要になります。当時の政治・社会状況や価値観を知り、「なぜそうした教育が求められたのか」「現在の私たちはどう受け止めるべきか」を考える。その過程そのものが、教養教育につながっていると思います。
歴史を学ぶことは、過去の出来事を知り、覚えるということだけではなく、“現在を考えるための視点”を身につけることでもありますから。
3
Question
教養科目は何のために学修するのでしょうか?
教養が育てる「考える力」
市原先生:自分の大学の歴史や理念を知ることは、「物事を相対的に見る力」にもつながりますよね。
自分が最も身近とする環境を客観的に見つめ直すことで、「他の大学ならどうだろう」「別の時代ならどう見えるだろう」と比較しながら考える視点が育っていく。
それは、まさにクリティカル・シンキングの基礎なのだと思います。
自分が最も身近とする環境を客観的に見つめ直すことで、「他の大学ならどうだろう」「別の時代ならどう見えるだろう」と比較しながら考える視点が育っていく。
それは、まさにクリティカル・シンキングの基礎なのだと思います。
平崎先生:教養科目は、「すぐ役に立つ知識」を学ぶ場というより、「どう考えるか」を鍛える場でもあります。
例えば、当時の新聞や大学の内部資料といった歴史資料を読んでも、「誰が、どの立場から書いたのか」「何が語られていて、何が語られていないのか」と考える習慣が身についていく。そうした姿勢は、もちろん他の教養科目でも養われるものですし、さらに商学や経済、国際関係など、どの専門分野に進んでも重要になるはずです。
例えば、当時の新聞や大学の内部資料といった歴史資料を読んでも、「誰が、どの立場から書いたのか」「何が語られていて、何が語られていないのか」と考える習慣が身についていく。そうした姿勢は、もちろん他の教養科目でも養われるものですし、さらに商学や経済、国際関係など、どの専門分野に進んでも重要になるはずです。

4
Question
教養科目は、将来の専門分野やキャリアとどのようにつながるのでしょうか?
「関係ない」が、つながる瞬間
市原先生:教養科目の面白さって、最初は「関係ない」と思っていた知識同士が、あとから結びつくところにありますよね。
たまたま受講した文学の授業が、後になって言語やコミュニケーションの研究につながったり、サブカルチャーについて考えた経験が、社会分析の視点になったり。学生時代には気づかなかったことが、専門を深めていく中で急につながる瞬間があります。
平崎先生:自校教育も、最初は大学史の授業に見えるかもしれませんが、国際関係や地域社会、異文化理解、経済活動など、さまざまなテーマへつながっていきます。
例えば異文化理解は、国際的なビジネスや地域経済を考える上で欠かすことのできない視点ですよね。学生時代には気づかなかった問題意識が、専門を学ぶなかで見えてくることもあります。その意味でも、教養教育は専門的な学びの土台になるのだと思います。その土台は、大学を卒業した後の生き方にも多様な選択肢を与えてくれるはずです。
たまたま受講した文学の授業が、後になって言語やコミュニケーションの研究につながったり、サブカルチャーについて考えた経験が、社会分析の視点になったり。学生時代には気づかなかったことが、専門を深めていく中で急につながる瞬間があります。
平崎先生:自校教育も、最初は大学史の授業に見えるかもしれませんが、国際関係や地域社会、異文化理解、経済活動など、さまざまなテーマへつながっていきます。
例えば異文化理解は、国際的なビジネスや地域経済を考える上で欠かすことのできない視点ですよね。学生時代には気づかなかった問題意識が、専門を学ぶなかで見えてくることもあります。その意味でも、教養教育は専門的な学びの土台になるのだと思います。その土台は、大学を卒業した後の生き方にも多様な選択肢を与えてくれるはずです。
5
Question
教養教育を学ぶことは、自分自身にとってどのような意味があるのでしょうか?
学びの「足もと」を知る
市原先生:大学生活では、「将来にどう役立つか」を考えることが多いと思います。もちろんそれも重要ですが、「自分が学ぶ場所にはどのような歴史や理念があるのか」を知ることも、大学で学ぶ意味の一つなのではないでしょうか。
平崎先生:そうですね。
大学は、知識や資格を得るだけの場ではなく、自分と社会との関わり方を考える場でもあります。拓殖大学の歴史を知ることは、日本やアジア、世界とのつながりの中で、自分自身を位置づけて考えることにもつながると思います。また、「なぜ自分はこの大学で学んでいるのか」という問いを考えるきっかけにもなり、自らの学びの土台を見つめ直すことにもなるのではないでしょうか。その点に、この大学ならではの教養教育の意義があるのではないかと考えています。
市原先生:教養教育には、短期的な実用性につながる側面もあるでしょうが、むしろ、「問いを持つ力」を育てるものです。
自分が学ぶ場所を見つめ直し、そこから社会や世界へ視野を広げていく。その積み重ねが、専門的な学びにも、自分自身の生き方にもつながっていくのだと思います。
平崎先生:そうですね。
大学は、知識や資格を得るだけの場ではなく、自分と社会との関わり方を考える場でもあります。拓殖大学の歴史を知ることは、日本やアジア、世界とのつながりの中で、自分自身を位置づけて考えることにもつながると思います。また、「なぜ自分はこの大学で学んでいるのか」という問いを考えるきっかけにもなり、自らの学びの土台を見つめ直すことにもなるのではないでしょうか。その点に、この大学ならではの教養教育の意義があるのではないかと考えています。
市原先生:教養教育には、短期的な実用性につながる側面もあるでしょうが、むしろ、「問いを持つ力」を育てるものです。
自分が学ぶ場所を見つめ直し、そこから社会や世界へ視野を広げていく。その積み重ねが、専門的な学びにも、自分自身の生き方にもつながっていくのだと思います。